気づけば、福祉施設のプロデュースに携わるようになって、いくつもの案件に携わってまいりました。

しかし、私がこの道を選んだのは、「施設を増やしたい」といった事業的な目的からではありません。

もっと根源的な問いに突き動かされた結果でした。

自分の大切な人を、心から安心して託せる場所は、本当にこの社会に存在しているのだろうか?

制度は整っている。環境も揃っている。

けれど、そこに「温もり」や「理念」が宿っているかと問われれば、首を縦に振れない現場も少なくありません。

だからこそ、私は自ら創る決意をいたしました。

私がプロデュースする福祉施設は、単に建物や設備を整えることではありません。

その空間に「人を想う心」や「命と向き合う姿勢」が、ちゃんと息づいているかを大切にしています。

日々の支援の中で、ただマニュアル通りに動くのではなく、目の前のその方が今どんな思いでここにいるのかを感じながら寄り添う。

そうした小さな積み重ねが、やがてその人の「人生の質」そのものを変えていくと、私は信じております。

福祉の現場は、決して楽なものではありません。

人材不足、制度の複雑さ、現場での苦悩。

それでもなお、そこに「守るべき命」がある限り、私たちは立ち止まるわけにはいきません。

母の最期を看取ったとき、心に誓ったことがあります。

どんな人でも、最期まで人としての尊厳を守られる場を、私はこの手で創っていくと。

プロデュースという仕事は、ただの設計ではなく、「生きる場所」を設計するということ。

誰かの人生がそこで少しでも穏やかに、誇らしく過ごせるように。

その願いを胸に、今日も向き合っております。

誰もやらないなら、私がやる。

そして、誰かの命が報われる場所を、この世界に一つずつ増やしていく。

それが、私の役割であり、プライドです。